「本物にこだわり、その良さを代々伝えていく」という思いのもと、KNOXがスタートしたのは1979年。1985年には日本ではじめてバイブルサイズのシステム手帳を発表し、ブランドとして確固たる地位を築いてきました。立ち上げ時に掲げた言葉通り、素材や技術、デザインにいたるまで、“本物”だけにこだわったKNOXの革製品は、40年以上経ったいまもなお多くの方々に愛されています。
2022年、KNOXは最高級モデル「AUTHEN(オーセン)」につづく第2のフラグシップモデル、「FLUCT(フラクト)」を完成させました。パートナーはレザーブランド「m.ripple(エムリップル)」を展開する村上裕宣氏。村上氏はデザイン、裁断、縫製など、製作に関わるすべてを自らの手で行い、「モノを入れ、使い込むことで、完成する形」を作り上げています。
「FLUCT」に内包される、美しい“ゆらぎ”。独特の曲線で表現されたそれは、自然界に存在する波長のように心地よく、使い手にそっと寄り添います。使うことで気付かされる曲線の意図、精緻な構造でありながら溢れ出す温もり、肌にしっくりと馴染む質感、手帳に書き込んだ瞬間から刻まれていく自分だけの時間。村上氏は何を思い、制作と向き合っているのでしょうか。これまでのバックグラウンドとともに探っていきます。