浜辺に打ち寄せる波、小川のせせらぎ、草原を渡る風、煌めく木漏れ日、鳥のさえずり・・・自然界に存在する心地よい波長には「1/f(エフぶんのいち)」という心地よい“ゆらぎ”があると言われます。
ほぼ一定のリズムを持っていながらも完全に正確ではないこの波長は、ふっと止んでみたり、強く吹いてみたりと、どうやらこのわずかな不規則性が人間の体内と同化し、わたしたち人間は予想を適度に裏切られ、しかもそれを心地よく感じるようです。
定規を使った真っすぐな線さえもわずかなズレや歪みがあり、ゆらいだ木目を生かした家具やハンドメイドの生地、手すきの和紙や手で轆轤を回した茶碗などと同様に、自然由来の本革やハンドメイドの革製品にも「1/f」ゆらぎが潜んでいるはずです。